【写真で観る】自転車で巡る『足尾銅山』の市街地と廃墟群の旅!!
栃木県 足尾銅山の市街地と廃墟群を巡る 栃木県日光市にある「足尾銅山の廃墟群」にやってきました!足尾銅山では、日本四大公害の一つ「足尾銅山鉱毒事件」が発生した場所で、小中学生頃の社会の授業で被害の救済を訴えた政治家「田中正造」と共に覚えておられる方も多いと思います。 そんな足尾銅山は、鉱毒事件の印象が強い場所ですが、当時の日本の外貨獲得に必要な主要輸出品の銅の4割を産出した場所で、日本の近代化を語る上で外せない場所になっています。 江戸時代の1610年の開山から360余年長い月日にかけて日本国の為に力を尽くした足尾の町は、1973年の閉山以降、役目を終え今は廃墟群ならぶ静かな街になっています。
足尾銅山のある足尾町は、山と山に挟まれた渓谷にある町で、川に沿って町が有るため自転車での探索がオススメ(*`・ω・)ゞ。
先ずは足尾銅山の街並みを見て回ります。
町は一本の大通りと数本の裏通りで作られいます。
鋳銭座跡の碑があります。 ここ足尾銅山で産出された銅で寛永通宝が作成されました。 ここで作られた寛永通宝には、「足」の字が刻印されていました。 ちなみに、ここに「鋳銭座」があったと書かれていますが、実際はどこにあったのか正確な位置が不明だそうです。
もう人は住んでいない町と思っていましたが、まだまだ多くの住人が住んでいることに驚きます。
市街地内は、ちゃんと住んでいる家が9割と1割の廃墟の割合程でしょうか。
廃店舗と思われる味のある建物を再利用したアートスタジオもあり、中には巨大な金魚のオブジェの様なものも制作されていました。
和菓子屋さんでしょうか?今もやっているのか、シャッターが閉まっています
時々すれ違う、おじいさんに挨拶しつつ怪しいよそ者と思われないよう散策します。
町の所々には、その位置から見えていた昔の風景の写真が展示されています。
未だ人々が住む町にある崩壊しつつある廃墟は、町に寂しさを漂わさせます。
この町には大きな神社仏閣はありませんが、いくつかある小さな神社や寺は江戸時代や明治時代の頃のものと思われる古いものが多いです。
言葉は悪いですがこんな小さな町に昔ながらの旅行の代理店さんがやっている事に驚きました。
地元の御爺さんに話を聞いたところ、今では殆ど無くなってしまったそうですが街中には当時の社宅のが未だ使われているとの事で観に来ました。 実際に未だ住まれている方がいるので詳しくは撮影はそこそこですが、文化住宅の様な家々が並んでいました。
市街地内の見学後、町中にある廃墟を順番に観に行きます。
今は使われていない廃墟となった「新梨子油力発電所」です。 名前に「新」の文字が入っていますが、大正4年に建てられ昭和29年に廃止された重油を使った発電所です。
廃墟となり今は使われていない発電所はコンクリート剥き出しで、あとは自然に朽ちるか建て壊されるのを待つのみになっています。
「新梨子油力発電所」と並んであるレンガ造りが美しい”通洞動力所”は、坑道内に圧縮空気を送り込む施設だったそうです。 こちらも既に廃墟となり、観て分かる通り崩壊が進んでいます。
さらに、少し進むと「通洞変電所」があります。 大きな地震が来れば崩れそうな建物ですが未だ現役で変電所として稼働しています。
「通洞変電所」の別景
「通洞変電所」の別景
「通洞変電所」の前には、古河機械金属が管理をする銅の精錬所の廃工場が有りますが、ガッチリとガードがされていました。
中はどんなだろう??と柵の外から中を覗いていると、軽自動車にのった作業服のおじさんがやってきて「入ったらあかんよ!」と注意をして去って行きました。
本当は中が観たかったのですが注意を受けた後、中で捕まった後に言い訳が出来ないので断念し、他の廃墟を観に行きます。
自転車を走らせている途中、山が気になりました。
山が大規模に崩れています。 足尾銅山付近の山々は、今は徐々に回復しつつありますが、昔の土壌汚染で禿山となった山は脆くなっている聞いてましたので、これがそれだと思います。
今では、非常に綺麗な清流にも思えるこの川も、足尾銅山が稼働していた当時は人々を苦しめた汚染された川でした。
足尾銅山の市街地から「赤倉」エリアにやってきました。 ここにある国の重要文化財に指定される「古河橋」は、明治時代に建設された鉄橋で、近年まで使用されていた橋です。
この橋は、近年まで実際に使われていたそうなので木製の床板もしっかりあります。 しかし、立ち入り禁止になっており、メンテナンスも怪しい為、オブローダーではない私は横から観るだけにします。
明治時代に作られた鉄橋は、美しくこれだけでも見てられます。
そして、橋の向こうにも産業遺跡の廃墟が見えています。 ちなみに、この「古河橋」の横にはしっかりとしたアスファルトの橋がかけられており、こちらの橋を渡り進みます。
橋の下を流れるこの川は、足尾町の市街地の方へ流れていってます。 先ほども言いましたが非常に綺麗な川です。
こちらの廃墟も立ち入り禁止になっており、中に入ることはできません。 地元の人も「もっと見せないと折角きてくれた観光客がみんなガッカリするんだよ」と言ってました。
橋と交わる様に鉄橋がかかっており、今は廃線となっていますが以前までは上を貨物列車が走っていたそうです。 ちなみに、他の廃墟探検をされている方々は、この鉄橋を通りコッソリと進入禁止の向こう側へ渡っているそうです。
このまま上に進むと鉱山神社なる廃神社があり、私も行ってみました。
山に進む中、途中途中にはいくつかの崩れかけた廃墟や坑道への入り口があります。
鉱山に関する廃墟と思われますが、どこもしっかりと戸が閉じられ中を観ることはできません。
落石等により道が悪い道路を山に向けて進むと「本山鉱山神社」の入り口が見えました!この道を徒歩で進むと神社があるのですが、この日は誰も居らず徒歩で上に進むのは大変そうなのでここまでで引き返します。
赤倉の中心地に戻ってきました。 最初に訪れた時には気づかなかったのですが、ここには、日本を代表する国語学者「倉沢栄吉」看板が設置されている事に気付きました。 「倉沢栄吉」は、この地足尾銅山の学校を卒業し郷土を代表すると書かれています。 この看板が置かれた後ろの建物が、その関係なのかはカーテンで中が見えなかったので不明です。
古河橋の場所から、ここ足尾銅山のシンボルの的な煙突が見えたので川の対岸から見えるスポットに進みます。
橋に向かって進むと直ぐに、これもシンボル的な三基並ぶ硫酸タンクの廃墟が見えました!ここ足尾銅山では、銅の製造と同時に硫酸も生成し、生産していました。 恐らくこの硫酸タンクには、その硫酸が貯蓄されていたんだと思います。
川に沿って建てれた産業遺産が、自然とのミスマッチなのに何故か美しく見えます。
川があまりにも綺麗なので撮ってみました。 綺麗じゃないですか?
大煙突が綺麗に撮れる対岸から撮影が出来ました。 この煙突からの排煙もこのエリアの環境破壊をもたらしたそうですが、ここで精錬された銅は日本の近代化にも不可欠な存在でした。
私が居る対岸の位置の側にあったお墓に、「この地で亡くなった方々は、どれぐらの割合で産業遺産による犠牲者なのだろうか?」と観ていると、前にある掲示板に「熊出没注意」の文字が!!!「えっ!こんな所まで出てくるの???」とこれからの廃墟探検に恐怖を覚えました。
熊に恐怖を覚えながら一旦来た道を戻る途中「龍蔵寺」がありました。 ここも古いお寺でしたので後ほど特集を組みます。
見とれる程美しい、産業遺産をしばらく見ていたかったのですが自転車移動では「熊」が恐ろしいので、移動していきます。
赤倉から一旦、足尾町の中心地に戻ります。 戻る途中、廃線址がありました。 写真は、踏切の跡に残る遮断機です。
廃線には、線路が残っており片側は川の方向に延びています。 この廃線も立ち入り禁止になっています。
踏切を中心に、もう片方の線路は山に向けて線路が向かっていますが所々に落石が目立っており崩落が進んでいると思われました。
今回は、時間も無く熊も怖いので廃線探索は行わず有名な社宅の廃墟群に進むことにします。
当時、このエリアには1万余人の人々が住んでいた為、社宅群の廃墟があちらこちらにあります。
足尾銅山では廃墟を発見する事は非常に簡単ですが、注意点として「熊」以外にも、「ハチ」の存在です。 この日も私の顔よりも巨大なハチの巣を数個見つけました。 実際付近を知らずに通ると蜂が威嚇してくるので中止が必要です。
観たかった社宅群の廃墟に到着!!自転車を降り写真を撮り始めます。
この廃墟群を無心に撮影しながら、入れる社宅は無いかとドアを開けようとしますが鍵がかかっており中にはいれませんでした。 崩れた裏側からなら入れるかもと思い裏に回ると数匹の鹿に遭遇!!ビビった私は慌てて自転車の置いてる場所まで戻りダッシュで逃げました。 野生の奴は怖いです。。 という事で、以上で「自転車で巡る足尾銅山の市街地と廃墟群の旅」となります。 廃墟半分、人間の住処半分のこの町は今回に巡っていない場所も多く、まだまだノスタルジーが溢れる街です。 皆様も一度遊びに来ては如何でしょうか。 御精読有難うございました。
名称 足尾銅山の市街地と廃墟群を巡る 所在地 栃木県日光市足尾町通洞9-2 種別 散策 備考 自転車で巡る事をおススメします。 評価 80点
やろうかなぁ?やめとこうかなぁ??と悩んだら ”犯罪や人に迷惑をかける事以外、全力でやってみて下さい。”の恩師の言葉を、元にとりあえず何でもやってみる、趣味は、旅行・骨董品収集のいくちゃと申します。(最近は、ドローンも楽しいです。)
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