大阪の下町にある地獄を覗く寺のディズニーランド『全興寺』に行ってみた
大阪は平野区(大阪市)の商店街に、地獄をテーマにした寺のディズニーランドと呼ばれる寺院『全興寺』にやってきました。
この寺院は、数あるWEBサイトで”地獄を観る”事が出来る珍スポットとして紹介される有名な寺院だね。
はい。
”珍”の部分がクローズアップされる寺院ですが、歴史や成り立ちを踏まえて”珍”だけじゃないぞ!!という点と共に魅力をご案内したいと思います。
▼アクセス
「全興寺」は、平野区の本通商店街という昔々から地元で愛される味わい深い「本通商店街」沿いにあります。
大阪の下町の商店街は、観るだけでも楽し気でいいですね。
この寺院に公共交通機関で訪れる場合は、『平野駅』で下車すれば約10分程で訪れる事が出来ます。
商店街の両端には有料の駐車場があるから車で訪れる事も
出来るよ。
でも、お祭り等の時には確実に満車になっちゃうから電車で訪れる事をオススメするよ。
住所:〒547-0044 大阪府大阪市平野区平野本町4丁目12−21
寺院の入口は、如何にも商店街に佇んでいそうな趣ある設えとなっております。
そして、よく見ると「ウソをつくと舌を抜くぞ」とおどろおどろしい鬼が描かれておりました。
怖いね~っ
境内に入ると正面に立派な香炉台があり、左右にお地蔵様が安置されておりこの段階で色物な寺院ではない事が分かります。
▼寺の歴史
では、先ず当時院の歴史を観てみたいと思います。
「全興寺」は、寺伝によると飛鳥時代に聖徳太子が野原だったこの場所に御堂を建て、薬師如来像を安置したのが起源と伝わります。
聖徳太子が創建という寺院は箔をつける為に、あっちゃこっちゃで勝手に言ってるから本当かどうかは分からないけどね。
また、寺の名前の由来は、この寺院がある付近に今でも残る「杭全(くまた)」という地名が関係し、「杭全を興す寺」から全興寺になったと云われております。
それも本当かどうかは分からないから、”説”という事だよ!!
この全興寺を語る上で重要な歴史の一つが大坂冬の陣の際に徳川秀忠によって付近に本陣が敷かれた事や、大坂夏の陣の兵火によって焼失してしまった事です。
その為、現在の本堂は夏の陣が終った後の天正四年(1576)に再建されたものです。
では、ネパールから贈られたという「マニ車」を回して境内の散策を始めます。
ちなみに、このマニ車は、1回まわすとお経を1巻読むのと同じ意味を持つという仏教界のチートツールです。
寺務所横を通り抜け奥へと進んでいきます。
▼小さな駄菓子屋さん博物館
寺務所を通り抜け最初に目に入るのが『小さな駄菓子屋さん博物館』です。
なんだろうと、内部に入ると・・・
内部には、昭和20、30年代に駄菓子屋にあった昔懐かしい玩具の数々が所狭しと展示されておりました。
なんでも、住職さんが子供の頃から収集していたコレクションだそうです。
勝手に想像したよりも結構凄かったので驚きました。
開館は、土曜・日曜・祝日となっていから訪れる際は注意してね。
では、全興寺の本堂で手を合わせにいきます。
▼本堂
本尊の薬師如来が祀られる本堂は前述の通り大阪夏の陣後の(1576)に再建されたものです。
この薬師如来像は、秘仏とされ1月8日と中秋の十五夜にのみ開帳されております。
この他に、真田幸村が最後の決戦として戦った大阪夏の陣で、付近にあった地蔵堂に地雷を仕掛けて徳川家康の爆殺を図った(平野の地雷火)際に、約300メートルを飛んできたとされる地蔵の首が祀られているんだよ。
(もちろん作戦は失敗したから、後の徳川250年の歴史が作られたんだ。)
地蔵首は毎年8月23、24日に御開帳されてるよ。
この段階で非常に歴史のある寺院である事が分かっていただけたと思います。
境内は所せましとお地蔵様や祠等が置かれていていい感じだね。
では、この寺を全国区に有名にした”地獄堂”を観に行きます。
閻魔堂は聞いたことがあるけど、”地獄堂”は初めて聞きますね。
▼地獄堂
この小さな小屋の様な『地獄堂』は、いじめや自殺が大きな社会問題となっていた1989年に当寺の住職が「命を大切に」という教えをもって世直しをしたいと祈念し建てたとの事です。
てっきりキテレツな方が面白半分に作ったお堂だと思ってたけど、ちゃんと建てられた意味があるんですね・・・
先ず初めに、お堂の壁に取り付けられた「地獄度・極楽度チェック」を体験してみます。
操作は簡単!!ボタンパネル式の10問の質問に答え、その結果で自分が地獄行きか極楽行きかが分かる画期的な(?)なシステムとなっております。
天国に行きたいからといって嘘ついてボタン押しちゃダメだよ。
ここで大事なのは、どんな悪い子だと地獄に行くかなんだよ。
そして、内部に入ると・・・小さな子供だと必ず「ギャーっつ」となる恐ろし気な閻魔様・鬼が出迎えてくれました。
これはちょっと怖すぎないかね・・・
閻魔様の前にはボタンが置かれ、如何に地獄が恐ろしい所かを教えてくれます。
また、恐ろし気な奪衣婆のおなかの部分は気持ちの悪い聖人??が安置されております。
なんともコレが一番気色悪かったね~。 気持ち悪いし、怖いし、最悪だね・・・
この鬼もよく見ると三つ目だし、とりあえず滅茶苦茶怖いね~
写真だと分かりづらいですが小屋の中は薄暗く、それが一層怖く感じさせますね。
また、お堂の中には十王裁判に出てくる小さな閻魔様も祀られております。(写真は6体ですが、実際は9体並んでおられます。)
怖いお堂を出た後は、地獄堂にある顔出しパネルで記念撮影をパシャリ!
▼地獄の窯の音が聞ける!
”地獄堂”を出て直ぐに、地獄の窯の音が聞こえるという穴の開いた石があります。
エイヤーっと首を突っ込むと抜けなくなりました・・・では無く、正に『地獄の窯の音』を聞くことが出来ました??(実際に聞いたことが無いのでたぶん・・・)
では、地獄の恐ろしさを知った後は天国を体感出来る「ほとけのくに」を観に行きます。
▼ほとけのくに
『ほとけのくに』への入口は、コンクリートの打ちっ放しでモダンな造りとなっております。
写真に写る手すりには四国八十八箇所霊場から採取された砂があって、手すりを持って降りるとお遍路さんをした事と同等のご利益があるんだって。
これも仏教界のチートツールだね。
地下に降りた内部は、床には曼荼羅がデザインされたステンドグラスがあり、辺りには約160体の石仏が安置されております。
明かりも少ない薄暗い地下では、水琴窟の音が聞こえ不思議な雰囲気の空間が広がっておりました。
▼御朱印
地上に上がって記念スタンプ感覚になりつつある御朱印(300円)を頂きました。
ついでになりますが、「西門」より出て隣接の駄菓子屋さんや旧平野駅舎も見学してみました。
南海電車の平野駅舎はこんな感じです。
▼さいごに
以上で、大阪の下町にある地獄を覗く寺のディズニーランド『全興寺』のご案内となります。
ここは、珍スポットとして紹介される事が多いですが、歴史もあり、住職の思いが詰まった素敵な寺院でした。
皆様も訪れてみては如何でしょうか。 ご精読ありがとうございました。
地獄堂は本当に怖かったよ~
▼最寄りの宿
アパホテル〈天王寺駅前〉
JR・大阪メトロ・近鉄の3WAYアクセスでの好立地、話題の「あべのハルカス」もホテルからすぐ!
545-0052
大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-4-11
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