壮観な千二百羅漢が立並ぶ嵯峨野めぐりの始発点『愛宕念仏寺』へ潜入調査!

愛宕念仏寺

 嵯峨野(嵐山)めぐりの始発点として知られる愛宕山参道の山麓の「化野(あだしの)」にある『等覚山 愛宕念仏寺』にやってきました!!

 この寺も京都に数ある寺院の中でも創建が古く八世紀中頃に称徳天皇にって現在の六波羅蜜寺近く(東山)に愛宕寺として創建されたと伝わりますが、勅願寺(天皇による命令)にも関わらず興廃を繰り返してきており、現在に観られる姿は近年に整ったものです。

「千二百羅漢の寺」という別称を持つ面白い羅漢像が立ち並ぶ寺院を観てみたいと思います!!




▼嵯峨野(嵐山)めぐりの始発点

一の鳥居

 嵯峨野(嵐山)めぐりの始発点と云われる当寺へは、嵯峨嵐山駅(トロッコ嵯峨駅)から訪れると、始発点と言うよりは完全に嵐山の外れも外れの最も遠い位置にあり、かなり不便に感じます。

 この遠さは、若い人なら気持ちの良い距離という言葉になるかもしれないですが、僕の30過ぎた運動不足なボディーには結構キツイと判断し、車で訪れる一択で訪れました。

 写真は、「愛宕神社」の一の鳥居とその前にあるお団子屋さんで、この鳥居を抜け進んだ途中に『愛宕念仏寺』があります。

 ちなみに、ここから愛宕山を登り全国900社を超える「愛宕神社」の総本山への道のりとなる訳ですが、約4キロの道のりは参道というよりは登山に近く約2時間の登山コースとなってますので、念仏寺から愛宕神社へ連続していく場合は、若干の備えをしておいた方がいいですよ。




▼駐車場

駐車場

 車で訪れた本日は、嵐山でもピンポイントで「化野念佛寺」と『愛宕念仏寺』が狙いでしたので、車が駐とめやすい「化野念佛寺」前にある駐車場(2時間/500円or1日/1,000円)を利用す。

 ※この事を覚えておくと便利です!!

▼愛宕念仏寺

山門

 京都でも有数の「清滝トンネル」の側にある『愛宕念仏寺』山門前に到着しました。

 この「山門」は、江戸時代に作られたものですが、安置される2対の「仁王像」は、鎌倉時代に作られたものと云われております。

 僕が、訪れた時刻は朝7時丁度頃の早い時間だったので、開門8時までの1時間程をウロウロと山門付近で蚊の攻勢と腹痛に耐えながら待ちます。

 ※余談1:私は前日にトイレも無い気味の悪い京都の山中で車中泊をしていたので起きてからずっと腹痛と戦ってました。

 ※余談2:この京都での車中泊というものは非常に厄介で、下手な所で寝ていると通報されてしまうので、おちおちと寝る事もできません。 なので、山深い場所まで行って寝ていたのですが鹿の鳴き声なのか?非常に気味の悪い獣の鳴き声が聞こえる真っ暗な場所に車を停めざる負えなかったです。

 ※余談3:ネットで「京都 車中泊」で検索しても、他府県で期待するような検索結果が出てこないです。 なので、嵐山に近く車中泊が出来る場所を後ほど、記載しますので参考にしてみてください。

崖づくり

 朝8時の開門と同時に、入山料300円/大人を支払い入山します。

 ※余談4:入山して、真っ先にトイレをお借りし無事に悪霊を退散させる事が出来ました!

 悪霊を無事に体内から排出後に、入り口から境内を見上げると立派な「懸造り」の御堂と、山の斜面に並ぶ苔むした羅漢像が立ち並ぶ趣きある雰囲気を感じる事が出来ました。

境内

 整備された境内を進み、本堂を目指します。

境内

 余談5:千葉県の寺巡りで知った「朝いちばんに山の寺に行くと、マムシが出る可能性が結構ある!!」との教訓に則り足元に注意しながら歩きます。

鐘楼

 山門から約1分の斜面を登った先に、苔むした境内には似つかわしくない金色の鐘が掛かるカラフルな「鐘楼」がありました。 




▼本堂

本堂

 斜面にある階段を登った先にある「本堂」へ到着しました。

 本尊に「千手観音像」が安置されるこの『本堂』は、鎌倉時代中期に再建されたもので、国の重要文化財に指定されております。

 当寺は、湿度が高い山奥にある為、石仏は苔むし昔からこの地に在る様にも思ってしまいますが、実は創建されて以来約1000年間、京都の東山(清水寺等がある場所)にありました。 

 しかし、興廃を繰り返す中、大正十一年(1922)に現在の地に移築されてきました。

 そこで、復興を目指すも失敗し完全な荒れ寺となってしまいますが、約30年後の昭和三十年(1955)に天台宗本山から仏師でもあった僧侶「西村公朝」が住職を命じられます。

 西村は住職となる前、あまりの荒れ様に住職となる事をためらったと言われておりますが、清水寺貫主「大西良慶」から「それだけ傷んでおれば、草一本むしりとっても、石一つ動かしても、おまえは復興者、復興者やといってもらえる。わしも手伝ってやるから」との激励に任を引き受け、精力的な努力の下今日観られる姿へと復興が遂げられました。




▼地蔵堂

懸造

 「愛宕念佛寺」で千二百羅漢と並んでの見所である掛け造りの『地蔵堂』には、平安時代より京の都を火災から守ってきた「愛宕本地仏火除地蔵尊」が祀られております。

懸造

 崖に迫出した地蔵堂は、御堂の回廊を歩くことが出来ますが、高所恐怖症の人には結構怖いです。

▼ふれ愛観音堂

ふれ愛観音堂

 本堂と地蔵堂の間にある『ふれ愛観音堂』には、手でベタベタと触る事が出来る観音様が祀られております。

ふれ愛観音堂

 この観音様は、新しいものですがコンセプトが「仏像が造られだして約2000年となりますが、それは全て目の見える人が目が作り、目が見える人々が拝んできたものです。 この観音様は、目の不自由な人たちに、仏との縁を結んでもらうために生まれたものです」と素晴らしい観音様です。




▼千二百羅漢

千二百羅漢

 『千二百羅漢の寺』という別称を持つ「愛宕念佛寺」には、その名の通り千二百体の羅漢像が祀られております。 これも苔むしており、非常に古いものの様に思えますが昭和に入ってからの復興活動の一つとして素人の参拝者が自ら彫って奉納されたものです(昭和の羅漢彫り)。

千二百羅漢像

 この羅漢とは、釈迦の涅槃時に立ち会ったとされる最高の悟りを得た聖者の事です。




▼御朱印

御朱印

 当寺でも、御朱印(300円)を頂きました。

▼さいごに

羅漢像

 以上で、壮観な千二百羅漢が立並ぶ嵯峨野めぐりの始発点『愛宕念仏寺』の御案内となります。

 今の姿は昭和に作られたものですが、これから100年、1000年と時間を経た後に古刹と言われる時代に思いを馳せに訪れてみても面白いと思います。

皆様も訪れてみては如何でしょうか。 御精読有難うございました。




▼アクセス

〒616-8439 京都府京都市右京区嵯峨鳥居本深谷町2−5