嵐山に行くならおススメの京都三大風葬地の一つ『化野念仏寺』へ潜入調査!

化野念仏寺

 京都市右京区の嵐山外れの嵯峨野にある浄土宗の寺院『化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)』にやってきました!!

 この寺院が置かれる「化野」は、東山の「鳥辺野」、洛北の「蓮台野」と並ぶ風葬の地(遺体を野ざらしにして置くこと)として、古くから葬送の地として知られております。

 そんな昔は忌むべき場所であった、かつての京都の陰部を観てみたいと思います!!




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嵐山の道

 本日の「化野念佛寺」は、嵐山の中心部である「渡月橋」から歩いて来るには年配者には少々キツイ20分程の距離にあります。

 ちなみに嵐山は、GW等の連休に訪れると9時前にはどこもかしこも駐車場が満車になり駐車するだけで一苦労しますが、「化野念佛寺」前にある駐車場は結構停めれる可能性が有ります。

 これを覚えておくと本当にいいですよ!!

化野念仏寺入り口

 入山拝観は、朝9時スタートなのですが混雑を避ける為に2時間以上早い6時30分に到着しました。

 当然、空いているお店も無いのでウロウロしながら時間を潰し、9時に大人500円を支払い入場します!!

▼入山拝観時間

 開門9:00-16:30(受付終了)
 ※12月、1月、2月は15:30に受付終了
 ※4月、5月、10月、11月の土日祝は17:00に受付終了

【千灯供養】
 毎年8月23日、24日(予約不要)
  ※開門17:00-20:30(受付終了)
  ※行事開始は、18:00から




▼境内

無縁仏

 境内に入って直ぐに古い石塔が並んでおりました。

境内 地蔵

 苔むした石塔、墓石、地蔵が良い感じの雰囲気を出しております。

▼仏塔(納骨堂)

仏塔(納骨堂)

 境内を進んでいくと、立派な「仏塔」がありました。

 なんだろうコレは?とパシャパシャ写真を撮ってましたが、どうやらただの納骨堂の様でした。

▼西院の河原

西院の河原

 仏塔(納骨堂)を更に進み新しい墓地を抜けた所の、この寺院の目玉「西院の河原」に到着しました!

 賽の河原に模して「西院の河原」と名付けられた不思議な空間が広がっております。

八千体の無縁仏

 ここに並べられる約「八千体の無縁仏」と云われる墓石は、かつて化野(あだしの)一帯に葬られ、数百年の歳月を経て無縁仏となり、山野に散乱埋没していたものを明治中期に地元の人々の協力を得て集められたものです。

八千体の無縁仏

 化野は、平安時代初期に「弘法大師」がこの地を訪れるまでは、風葬の地として遺体がゴロゴロと転がる不衛生極まりない気味の悪い場所でした。

 当然、伝染病等も蔓延していたと云われております。

 そこに、中国(唐)に仏教留学を行い学識を高めた「弘法大師」さんが、訪れ転がる骸を哀れに思われ、供養したと伝わります。

 その為、この「化野念佛寺」に安置される墓石は、それ以降である鎌倉時代の墓石は当然ですが平安時代のものと云われる古い墓石、仏塔が見受けられます。

 ちなみに、今日の様な墓石を一般人でも用いるようになったのは江戸時代中期以降と云われ、それ以前には自然石をただ置くだけの物や、簡単にマークを彫っただけのものが一般的だったそうです。




▼本堂

本堂

▼化野念仏寺

 華西山東漸院と号する浄土宗の寺で、境内には付近から出土した多数の石塔や石仏が立ち並んでいる。
化野は古くから鳥辺野、蓮台野と共に葬地として知られ、
 誰とても とまるべきかは あだし野の 草の葉ごとに すがる白露
という西行の歌にもある様に「化野の露」は人生の無常の象徴として和歌などで広く使われている。
 寺伝によれば、弘仁年間(810年-824年)に、空海上人がこの地に葬られた人々を追善するため、小倉山寄りを金剛界、曼荼羅山寄りを胎蔵界と見立てて千体の石仏を埋め、中間を流れる曼荼羅川の河原に五智如来の石仏を立て、一宇を建立して五智如来寺と称したのが始まりと云われている。
 当初は真言宗であったが、鎌倉時代の初期に法然上人常念仏道場となり浄土宗に改められ、念仏寺と呼ばれるようになった。
 正徳二年(1712年)に寂動上人が再建したと云われている本堂には、阿弥陀如来坐像が安置されている。

千灯供養
毎年、8月23日、24日に行われている「千灯供養」では、八千体にも及ぶ無縁の石仏等に灯が供えられ、多くの参詣者でにぎわう。

-看板より-

本尊

 御本尊の『阿弥陀仏』は、鎌倉時代のもので「湛慶」による作と伝わります。

▼延命地蔵尊

延命地蔵尊

 日本で成立した偽経である「延命地蔵尊」が西院の河原横に祀られております。

 この「偽経」とは、インド発祥のものではなく、仏典を日本や中国で読み解く中、派生した教えの事です。

神仏習合

 また、境内の片隅に日本独自の「神道」である神社が神仏習合されております。




▼御朱印

御朱印

 一通りの参拝後、旅の楽しみである「御朱印」を頂きます。

 数十年後かにいずれ亡くなる私も、ここで頂いた御朱印をもって死出の旅路に向かうと考えると、面白いものを感じてしまいます。

▼さいごに

西院の河原

 以上で、嵐山に行くならおススメの京都三大風葬地の一つ『化野念仏寺』の御案内となります!!

 次回は、この寺院に最も人が集まる「千灯供養」に行ってみたいと思います。 御精読有難うございました。




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▼アクセス

〒616-8436 京都府京都市右京区嵯峨鳥居本化野町17