岐阜県揖斐郡にある日本版ミイラ(即身仏)が祀られる『横蔵寺』へ潜入!

横蔵寺

 岐阜県揖斐郡にある日本版ミイラ(即身仏)が祀られる『横蔵寺(よこくらじ)』へやってきました!!

 この「横蔵寺」は、一般公開される即身仏がマニアの間で有名な寺院で、特にその点がクローズアップされる事が多いですが、それ以外にも多数の平安時代、鎌倉時代の重要文化財に指定される仏像等が有る事から「美濃の正倉院」とも言われる見所が豊富な場所です!

 しかし、なかなかの山奥にある為、わざわざ行くのに本当に一見の価値がある場所のかを観てみたいと思います。




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 この「横蔵寺」がるのは、岐阜県揖斐郡揖斐川町という熊も生息する山間の小さな盆地に位置しております。
 ここでは、2014年には揖斐川町の川でアユ釣りをしていた釣り客がクマに襲われるというニュースがあったような、自然豊富過ぎる場所です。

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 寺の伝承によれば、日本天台宗の宗祖・最澄が比叡山延暦寺を開創する際に、本尊・薬師如来像を自ら彫りましたが、その際に同じ霊木から、もう1体の薬師如来像を造りました。

 そして、最澄は二体目の薬師如来像を背負いながら諸国を旅しますが、延暦二十二年(803)に現在の横蔵寺のある山間部のこの場所まで来た時に薬師如来像が動かなくなったので、ここに寺を建立して二体目の薬師如来像を祀ることにし、地元の三和次郎大夫藤原助基が寺を建立したと云います。




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 境内は広く、緑のトンネルを抜けた結構な距離を歩いてようやく本堂側にやってきました。

 当山は、最澄によって801年(伝)によって開かれて以来、約1200年の歳月を経た古寺です。

 その間、信長に本尊まで焼かれた比叡山が復興する際に、同じ霊木から造られたという理由で本尊の薬師如来像を取られたり、

 その代わりに、洛北の御菩薩池(みぞろがいけ)から移された薬師如来像を本尊にさせられたりと、

 多くの事件を経てきておりますが、地元の人々を中心とした篤い信仰のおかげで、今日でも見事に整備された見応えの有る境内となっておりました。

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 本堂へと向け、徐々に進むにつれ厳かな雰囲気に、ここが正に霊験あらたかな場所なんだと圧倒されそうになってきます。

▼三重塔

三重塔

 「横蔵寺」は、かつて鎌倉時代には三十八坊を有する大寺院だったと云われます。

 しかし、元亀二年(1571)に織田信長の兵火で焼失してしまいます。

 その為、現在ある本堂、三重塔、仁王門などの主要伽藍は江戸時代の復興によるものです。

 この「三重塔」は、山深い場所にひっそりと佇む、趣を感じられる伽羅となっております。

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 山門、堂宇、本堂と重要文化財揃いで全てを参拝し、景観を堪能しようとすると半日を要すかと思われます。




▼日本版ミイラ(即身仏)

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 多くの参拝客を惹きつける日本版ミイラ(即身仏)は、舎利堂の中に安置されております。

ここに祀られる即身仏は、天明元年(1781)に生まれの妙心法師というお坊さんで、文化十四年(1817)に36歳で入定、即身仏となったもので、日本に現存する即身仏で最も若い年齢で入定した仏様です。

 筆者の僕が今年で35歳となり年齢が近しいですが、36歳でその覚悟を持って、他人の為に死を迎える苦行をされたというのは凄いの一言しか言いようが有りません。

 ちなみに、こちらの即身仏は、エジプトのミイラ等と違い自然乾燥を経ただけのものであって、入定後に一切の加工が施されたものではありません。

 その為か、辛うじて皮(皮膚)で骨と骨が繋がっているだけの様に思えます。

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 今でこそしっかりと「横蔵寺」で祀られるこの即身仏ですが、元々は入定した地の山梨県都留郡鹿留村の上人堂に安置されておりました。

 しかし、明治時代の廃仏毀釈で山から降ろされ、面白おかしく見世物として京都の博覧会などに展示されるなどされました。

 その後、山梨県の県病院で医学資料として保管されていたと記録されています。

 そして、廃仏毀釈が収まりだした明治二十三年(1890)に妙心法師の親族から即身仏の下付の嘆願があり、山梨県はこれを許可し、即身仏は妙心法師の出身地である横蔵村のに移され今日に至ります。

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 祀られる即身仏に敬意をもって参拝をした後、来た順路とは別の小川の流れる庭を見ながら「横蔵寺」にお別れをします。

▼さいごに

山奥の川

 以上で、岐阜県揖斐郡にある日本版ミイラ(即身仏)が祀られる『横蔵寺』の御案内となります!!
 
 この古寺には、多くの人々に知られている「即身仏」以外にも多くの魅力がり、はるばる遠方よりこの山間部にまで訪れる価値があるばしょでした! 

 皆様も訪れてみては如何でしょうか。

 御精読有難うございました。




▼インフォメーション


評価: 評価(3.0)
予算: ~¥999
住所: 岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲神原1160
電話: 0585-55-2020
交通: 樽見鉄道谷汲口駅→名阪近鉄バス谷汲山行きで10分、終点下車、名阪近鉄バス横蔵行きに乗り換え15分、終点下車、徒歩すぐ
駐車場: あり
料金: 境内自由(宝物殿・ミイラ堂は入場300円)
時間: 宝物殿・ミイラ堂は10~16時
休  み
宝物殿は12~3月と雨天時休み