茂原市のランドマークとして知られる日蓮宗の本山『藻原寺』へ潜入調査!

藻原寺

千葉県茂原市にある日蓮宗の本山『藻原寺(そうげんじ)』にやってきました! 入口から目を引く面白い形をした山門が目印の寺院です。 一見すると新しそうな寺院ですが、れっきとした日蓮宗の本山で、創建は鎌倉時代の建治二年(1276年) と古くから伝わる寺院です。 果たして、どの様な寺院なのでしょうか。




▼藻原寺-山門

藻原寺山門

山門は1932年(昭和八年)に多宝塔形式で造られたコンクリート製です。 高さが25㍍有り、目を引くデザインである為、茂原市のランドマークとして知られております。 掛けられる扁額には、山号の「常在山」と記されております。

▼藻原寺とは!?

藻原寺とは!?
香炉

日蓮宗の宗祖である「日蓮聖人」は、千葉県の小湊で誕生後に清澄寺で出家をし、修行の後に比叡山、三井寺、薬師寺、高野山、天王寺等の名だたる寺院で遊学を行い、多くの修行の末に建長五年(1253年)に清澄山(千葉県鴨川)で法華開宗を宣言しました。 そして、布教を行う為に幕府の置かれていた鎌倉へ向かう途上に、この茂原の地に1ヵ月程逗留致しました。

藻原寺とは!?

この『藻原寺』は、建治二年(1276年)に日蓮の最初の信者となった「斎藤兼綱(さいとう かねつな)」が、法華経布教の為に自らの居館を提供した事に始まります。 当初は、日蓮聖人によって「榎本庵」と名付けられ、後に「妙光寺」と称す様になり、江戸時代頃からは当時の地名である「藻原」から「藻原寺」と改名し今日に伝わります。 この寺院は、日蓮宗の創成期から起こる重要な寺院の為、総本山の身延山に対し東に位置するので、「東身延」と云われ、宗門から重視されております。

手水舎
手水舎




▼藻原寺-本堂

藻原寺-本堂
藻原寺-本堂

建治二年(1276年) に創建された『藻原寺」は、日蓮聖人が開山し、日蓮宗最初の信者である「斎藤兼綱 」が開基と伝わります。 写真は御本尊である「三宝尊」が祀られている本堂です。 屋根が遠くからでも分かる程、鋭角に造られております。威圧的な造りになっていいる理由は、その寺院の権威を示す為と云われております。 

本堂




▼石造釈迦如来立像

石造釈迦如来立像
石造釈迦如来立像

茂原市の指定有形文化財に指定される『石造釈迦如来立像』は、江戸時代の元禄四年(1691年)に建立された仏像です。 見どころは、大きく造る為に胴部で繋ぎ合わせられた箇所が見える点と、釈迦如来像には珍しく合唱している姿です。 これは、案内板によると石刻りの制約と、彫りやすさ、強度を考慮された為と考えられております。




▼鐘楼

鐘楼
鐘楼

▼開基堂

開基堂

境内の外れに建てられている『開基堂』は、当山の開基で日蓮聖人の最初の信者で、かつ聖人を庇護した「斎藤兼綱」を祀る御堂です。 観音様の霊夢を見た「斎藤兼綱」は、法難に遭い清澄寺を追われ鎌倉に向かう途上で「笠森観音寺」に一泊していた「日蓮聖人」を当地に迎え、その教えに帰依し信者となりました。

▼日蓮聖人の思想

日蓮上人の思想
本堂横撮影

筆者である私は、神社仏閣が好きで全国各地を巡っておりますが、自身に対する宗教というものには全くの無頓着です。 その為、我が家が何教なのか、何宗なのかすらも全く知らないです。 なので、日蓮宗の寺院で出会った人には「先祖代々「日蓮宗」です。」と応え、浄土宗の寺院で出会った人には「先祖代々「浄土宗」です。」と適当に応えております。 ですが、千葉に住みだして、これだけ日蓮宗の寺院に参拝する事になると「日蓮宗とは何ぞや?」との疑問が出てきたので簡単に調べてみました。 

日蓮聖人の思想
本堂-渡り廊下

日蓮宗を開山した日蓮聖人の教えや思想を見てみると、詳細は割愛しますが、現代から見ても過激なもので、当時に日本各地で起きていた災害等の国難の理由は「正法である「法華経」を信じずに邪法を信じているからである」として、当時多くの信者を獲得していた浄土宗等の他宗を排撃するものでした。 これは、浄土宗等を庇護する幕府の祭り事までも含まれた批判であった為、開山から晩年まで幾多の法難とも呼ばれる危害を他宗の僧侶や信者だけでなく、統治者である幕府からも受ける事になったとあります。 しかし、鎌倉幕府の政治に不満を持つ人々や、日蓮聖人自らの説法によって日蓮宗へ帰依した人々も多く出てきた事により、幾多の法難を受けながらも今日に根付く日蓮宗の土台が出来上がったものと分かりました。




▼さいごに

さいごに
山門越しの桜並木

以上で、日蓮宗の本山『藻原寺』の御案内となります。 今では、多くの伽羅が無くなってしまっておりますが、江戸時代頃までは「祖師堂」や「五重塔」等も備えた立派な寺院である事が分かっております。 日蓮宗の創成期から伝わる、当寺院を観に訪れては如何でしょうか。 御精読有難うございました。




▼アクセス

住所:千葉県茂原市茂原1201

電車:JR東日本外房線茂原駅から徒歩25分。