山形県南陽市にある“日本三熊野”の一つ崇敬される『熊野大社』に潜入調査!!

熊野神社

山形県南陽市にある“日本三熊野”の一つ『熊野大社(くまのたいしゃ)』にやってきました! この神社は、平城天皇の勅命により「紀伊国熊野権現」の勧請(かんじょう:神様を呼ぶという意味)を受け再興された為、正式名称は「熊野神社(くまのじんじゃ)」と言います。 しかし、地元では崇敬の念を持って「熊野大社」と呼ばれております。 本日は、「熊野大社」の成り立ちと共に境内を御案内致します!




手水舎

ここは、日本でも有数神聖な神社です。 しっかりと「手水舎」で清め境内に入ります。 ここで気になるのが、この「熊野神社」は、通称では「熊野大社」と呼ばれますが、実際には総本社である「大社」ではなく、分祀を祀る「神社」です。 つまり、「大社」の格下にあたる訳ですが、「大社」と同格として扱われてきた歴史があります。 それは、ここが神社が置かれる前から神聖な場所として崇められてきたからです。 この事を念頭にご覧いただくと歴史が更に面白く思えます。




▼先ず、熊野神社とは!?

参道

 古代より自然信仰の聖地であった和歌山県の紀伊山地に創出された「熊野三山」は、平安時代末期頃から「熊野詣」における皇族貴族参詣によって、信仰制度の上で成立しました。 そして、熊野詣盛行等により全国熊野信仰が広まり、熊野三山祭神を勧請した神社が全国に3,000社以上もが作られたと言われております。 『熊野神社』とは「熊野三山」に祀られる「熊野本宮大社」、「熊野速玉大社」、「熊野那智大社」の熊野三山祭神を勧請した神社のことです。

※「熊野三所権現」だけでなく「十二所権現」を含めて勧請された神社の数が3,000社となります。




熊野神社境内

▼山形県「熊野大社」に祀られる主祭神

熊野神社本殿

山に造られた長い境内を歩き本殿に到着しました。 通常、「熊野神社」の総本社(熊野三山)には、「家津御子大神(素盞嗚尊)」・「熊野夫須美大神(伊弉冉命)」・「熊野速玉大神(伊弉諾尊)」の三神祀っており、全国の熊野神社でも同様でありますが、『山形県・熊野大社』では、「熊野夫須美大神」を主祭神とし、「家津御子大神」・「熊野速玉大神」を配祀しております。 何故、他社同様に祀られなかったのかは現在調査中です。




▼約1300年という歴史

本殿接写

『山形県・熊野大社』は、大同元年(806年)に平城天皇勅命により紀伊国熊野権現の勧請を受けて再興されたと伝わっており、「再興」の文字通り、それより前にも神社が置かれていた事が分かります。 一説には、天平十三年(741年)の聖武天皇による国家鎮護の為に日本の各地に「国分僧寺」、「国分尼寺」を建立する様に命じた際に同時に創建されたと言われております。 創建以来人々の崇敬篤く久寿二年(1155年)の後白河天皇即位の時には天下泰平祈祷を命じ、以降勅願所になったと云われております。 また、この地を納めた伊達氏・最上氏・上杉氏の歴代領主達からも寄進を受ける等、一大霊場として栄えました。




鐘楼

鐘楼

神楽殿

藁葺の神楽殿

様々な社

境内には、約30の神社や寺社が置かれております。 神社に寺社があるという今では違和感が有りますが、神仏習合されていた時代には日本全国で観られた光景です。

神仏習合

▼三羽のうさぎ

三羽のうさぎ

本殿裏には、「三羽のうさぎ」が彫刻されております。 その「三羽のうさぎ」を人から教えて貰う事無く見つける事が出来ると「願いが叶う」、「幸せになる」と云われております。 これが非常に難しく、目の良い方なら見つけれるというものではないので、「兎はこんな顔」といった固定概念を捨て探してみてください!

三羽のうさぎ

本殿裏にやってきました。 この写真で「うさぎ」が居るのが分かりますかね??

三羽のうさぎ

はい、コレです!私は、可愛らしいうさぎさんを想像してましたが、ぜんぜん可愛くない兎でした。 これは、見つけやすい兎ですが、他の2羽は非常に難しいので頑張ってください!!

▼隠し彫り

隠し彫り

この神社には遊び心が満載です。 掘られた彫刻を良く見ると様座なな隠し彫りが掘られております。 これを探すのも楽しいですが、上を向きすぎて首が痛くなるのでほどほどに!

▼さいごに

さいごに

以上で、山形県の「熊野大社」の御案内となります。 こちらには“日本三熊野”の一つへの詣でとして来られる方も多いですが、近年ではパワースポットとして「三羽のうさぎ」探しに訪れる方も増えております! 皆様も幸運を求めに訪れては如何でしょうか!? 御精読有難うございました。 

余談ですが、私が訪れる一週間前には結婚発表前のロンブー敦さん夫妻がお忍びで訪れていたそうで、地元の御爺さん曰く「普通の人はなかなか見つけれないが、彼はやはりスターだね、一瞬で見つけたよ!」と嬉々として教えてくました!(凡人の私は30分かかりました。難しい)

▼アクセス

住所:山形県南陽市宮内3476-1

電車:山形鉄道フラワー長井線「宮内駅」下車、徒歩10分

電車:JR「赤湯駅」からタクシー約10分